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RODRIGO Y GABRIELA - CD

METTAVOLUTION LIVE

Sony Music Japan - 発売中

私自身、少しギターをたしなむ。ポピュラー音楽史における楽器の発達についても勉強してきた。ロックの創始者たちを賞賛し、ジャズの偉人たちも愛している。クラシックのギタリストの動きの器用さとともに速弾きぶりも楽しんでいる。このレビューの前に言っておかねばならないことは、私はロドリーゴ・イ・ガブリエーラ(彼らはたいてい自分の名前を小文字表記する)をこれまで聴いたことがなかったということだ。しかしプレーヤーの再生ボタンを押すなり、すぐに私はこの親しみやすく、とても二人組とは思えない音楽に魅了されてしまった。すぐに私はパソコンに飛びつき、彼らの4作目のアルバム『Mettavolution』を検索した。このアルバムは昨年リリースされ、今年のグラミー賞の「最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタルアルバム賞」を受賞している。彼らは元々出身のメキシコでブラック・サバスとメタリカに影響され、それからアイルランドに移ってから独自のスタイルを築き上げたという。どこにもないものなのだ。素晴らしいと言うしかない。

 

このライブレコーディングへの第一印象は、「ワォ!」という感じだった。しかしその直後、二人のギタリストが織り成す音楽がなぜこんなにも私の耳を捉えて離さないのかを実感することとなった。いくつか彼らの映像を観て、再度音楽を聴いても答えは見つからなかった。もう受け入れるしかなかった。翌週には十何回もこのアルバムを聴いた。そしてアルバム『Metttavolution』を手に入れた。それで解かったことは、とにかくライブはスタジオバージョンよりもはるかに凄いということだった。彼ら自身から溢れ出てくるものと言うしかなかった。ライブアルバムについて言うと、ステージ上の二人の掛け合いが素晴らしい。スタジオバージョンより格段に凄いのだ。ライブこそが彼らの真骨頂と言える。

 

『Mettavolution Live』は、スタジオ盤とは曲順が異なっているとはいえ、完璧なる演奏である。さらに6曲が追加され、前作から5曲、そこにガブリエーラのソロで構成されている。「Mettavolution」の核となる部分はピンク・フロイドの「Echoes」をタマカンが首も折れよとばかりのスピードで弾くロングカバーバージョンである。他の曲も楽しさこの上ない、同様のアレンジが施されている。サウンドは温かみがあって、タッピング、ボディをゴツゴツと打つ音、荒々しく弦をかき鳴らす音、彼らのパフォーマンスのすべてが捉えられ、響き渡っている。アルバムに捉えられたとは思えないほど生々しいライブだ。2枚のディスクは3面開きのデジパックに収納され、英語の原文と日本語訳が記された8ページのブックレットが付いている。それで良心的な3,000円という価格だ。一言で言えば、どんな場所にいようとどんな時にでも聴ける素晴らしい作品である。私のようにギターをかき鳴らす時間がなかなか見つけられないような人なら、このアルバムを買った時に新しいギターの弦も買うことをおススメする。これを聴けば、またギターが弾きたくなるに違いないから。

Tracklist

Disc 1

Krotona Days

Witness Tree

The Soundmakers

11:11

Diabro Rojo

Echoes

Mettavolution

Tamcun

 

Disc 2

Gabriera-Solo

Electric Soul

Cumbe

Hanuman

Teracentric

OZZY OSBOURNE - CD

オーディナリー・マン 

Sony Music Japan - 発売中

オジーが最後のスタジオアルバムをリリースしてからもう10年も経ったのか?『Scream』は2010年6月にリリースされた。その4ヶ月前には iPad が世の中にお目見えし、当時の日本の総理大臣は鳩山由紀夫だった。まだウィキペディアはネット上には現われておらず、原子力も安全だと思われていた時代だ。あの2011年3月はその9ヶ月後のことである。この頃にはオジーはツアーをし、ライブアルバムをリリースしていた。しかしその後彼には健康上の問題が発生し、現在はパーキンソン病と闘っている状況だ。我々は彼の快復を願っているし、彼を愛している。しかし71歳という年齢と病気のことを考えると、本作『Prince of Darkness』が最後のアルバムになってしまうかもしれない。そうならないことを祈るばかりだが。

 

ボーカルコーラスからアルバムは幕を開け、すぐに跳ねるギターリフが続き、オジーの「All right now!」という掛け声が発せられると、我々は慣れ親しんだ心地良い海に身を浸すことができるのだ。アルバムは彼を慕って集まった友人ミュージシャンたちの協力の下

、数々のハイライトを含む優れた楽曲で構成されている。オジーは随所で不気味なムードを演出し、「Goodbye」に象徴されるようなボーカリストとして最高のテクニックを披露している。「Under The Graveyard」でも演出する冷酷さが見事だ。彼の声は、「俺たちはみんな死ぬ時は一人ぼっちなんだ」というリアリティを表現しているようだ。彼の声も健在だし、畳み掛けるギターリフも健在だ。オジーらしい楽曲も揃っており、我々がオジーに対して期待したすべてのものがここにあると言ってよい。しかしいつものオジーと何かが違う・・・そう、その違いはオーバープロデュースによるものだ。

 

プロデュースはアンドリュー・ワットで、有能なプロデューサーなのだが、彼はジャスティン・ビーバー、ラナ・デル・レイやポスト・マローンなどを手掛ける方がはまっていると思える。そのマローンは本作で2曲にゲスト参加している。ワット自身も本作ではほとんどの曲でギターをプレイしている。プレイヤーとしては有能だが、ザック・ワイルドのような切れ味は彼にはない。またオートチューンをオジーの声にかけているが(ゲストのエルトン・ジョンの声にも)、それはアルバムの印象を鈍いものにしている意味で逆効果になっている。確かにオジーはこれまでにも自分の声にエフェクトをかけてきたが、私はそれを責めているのではない。本作ではそれが過剰だと思うのだ。我々はオジーのワイルドなヴォーカルが好きなのに、このプロデューサーはそれを理解していないようだ。このアルバム自体は楽しめるのだが、より洗練されたレコーディングが行なわれたことで、それでかえってオジーの危険な薫りがきちんと捉えられていないことが頭から離れない。

 

聴き込めば聴き込むほど、あなたもこの思いを強くすることだろうと思う。しかし紛れもなくここにオジーは、いる。それでいいだろう。ソニーはBSCD2マスタリングを行い、深みのあるサウンドを実現している。16ページ建ての英語&日本語それぞれのブックレットが付いている。そして特別な「Darkside Blues」というボーナストラックが収録されている。これらがすべてムードたっぷりのデジパックに収納されているのだ。

 

Track List

Straight To Hell

All My Life

Goodbye

Ordinary Man (featuring Elton John)

Under The Graveyard

Eat Me

Today Is The End

Scary Little Green Men

Holy For Tonight

It’s A Rain (featuring Post Malone)

Take What You want (featuring Post Malone and Travis Scott)

 

Bonus Track for Japan

Darkside Blues