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VOLBEAT - CD
SERVANT OF THE MIND 

 

Sony Music International Japan

前作から2年、パンデミックなどあったが、ヴォルビートはどんな作品を作ってくれたのか?

最高のアルバムを作ることができた!と思う。冒頭のドラムの連打から、ロックぽさ、ガツンという迫力、強力な押し出し、衝撃、雷鳴のような轟きと、ほとんど休むことなく曲が続いていく。フロントマンのマイケル・ポールセンは自宅に篭もっている間にこのアルバムを書き上げたのだが、その間に彼に何が起こったのか。バンドはさらに一歩前進し、間違いなく地球上で最高のバンドの一つとなった。彼らのトレードマークであるパンク/メタル/ロカビリーの要素もあるが、「The Sacred Stones」のような曲が出てくると、我々はブラック・サバスの「Heaven and Hell」の領域に入っていく。これはあなたの聖地に足を踏み入れることになるかもしれないと不安に思いながら書いているのだが。そして、これは私の大好きなバンドの一つであるディオの生まれ変わりのようにいい感じなのだ。どの曲も、ポールセンとギタリスト、ロブ・キャジアーノのこれまでで最高の演奏と相互作用が実現している。「The Devil Rages On」のような曲では、リズムセクションが想像上のキャデラックに乗って、ロバート・ロドリゲス監督の狂った映画に出てくるような、忘却の彼方へ向かう埃っぽい道を走っている。その後、アルバムは再び反転し、ゴージャスなポップスとアルパビートのスタイン・ブラムセンのゲストボーカルが登場し、これらすべてのジャンルとサウンドがまとまりのあるアルバムへと結実しているのである。アルバムの最後の曲は、クラシックなロック/メタルバンドなら誇りを持って書いたであろうと思われる、その影響を受けていることが判る壮大な曲となっている(曲の長さのことではない。いつもの曲よりは長いが)。

 

プロダクションとミックスに関しては、完璧である。ヴォーカルは聴き取りやすくパワフルで、楽器は音的に美しく分離されているが、音楽を届けるユニット単位としては調和していて、ソロやコーラスが出てくると、さらに一歩前進する感がある。

 

日本盤のリリースに当たっては、ヨーロッパのデラックス・エディションに収録されている4曲に加え、日本盤限定の1曲が収録されている。あなたがヴォルビートファンならば、本作は是非コレクションに加えたいと思うことだろう。この曲はダスティ・スプリングフィールドの1960年代のヒット曲 「I Only Want To Be With You」の強力なカバーだ。ダスティは私にとっては神聖なる存在の人で、この曲は私のオールタイム・トップ10に入っている。ヴォルビートが両者の精神を融合し維持していると記せることが私の喜びでもある。ダスティもきっと気に入ってくれるだろう。このエディションには、20ページの英語版ブックレットと16ページの日本語版ブックレットが付いている。

 

このアルバムはヴォルビートの8枚目のスタジオ・アルバムで、正直なところ、私は彼らの最高傑作だと思っている。たとえあなたが私の意見に反対だとしても、このアルバムの強力度からして、彼らが長期に亘りシーンに存在し続けるだろうということには同意してもらえると思う。

 

Track List

Temple Of Ekur

Wait A Minute My Girl

The Sacred Stones

Shotgun Blues

The Devil Rages On

Say No More

Heaven’s Descent

Dagen FØr

The Passenger

Step Into Light

Becoming

Mindlock

Lasse’s Birgitta

Return To None*

Domino*

Shotgun Blues*

Dagen FØr (Michael Vox version)*

I Only Want To Be With You (Live in Hamburg)*

 

*日本盤ボーナストラック

To The Faraway.jpg

DAVE BAINBRIDGE
TO THE FAR AWAYI

Open Sky

  ケルトのメロディーに適切な感覚と表現を与えるには、非常に心豊かなタイプのギタリストが必要だ。テクニックは当然必要だし、この音楽の歴史を理解することは絶対に必要なことだ。そして、その両方に加えて、才能、適性、名人技がふんだんに盛り込まれていなければならない。このタイプの男こそ、デイヴ・ベインブリッジであり、ミュージシャンの中のミュージシャンと言える男だ。ケルト系プログレバンドのイオナ(Iona)やストレートなプログレバンドのライフサインズ(Lifesigns)で知られているかもしれないが、現在はストローブスにも所属しており、それだけでも彼の実力がよく分かる。本作は彼の4枚目のソロ作品であり、率直に言って、この2週間というもの、毎日私を圧倒してくれている。音楽は他のジャンルでも同様に優れたものは多いが、ケルトの世界とそのサブカテゴリーにおいては、本作以上のものはないと言える。

 

 このアルバムについて、気まぐれで神秘的で詩的な表現を用いるのは簡単なことだが、私が表現したいのは、このアルバムが単なる往年のスコットランド・ハイランド地方へを旅してみるが如きのようなものではないということだ。まず第一に、このアルバムは、デイヴがアメリカに行って婚約者と結婚する数日前に婚約破棄となった際に、町がロックダウンされていた状態で書かれたものだということ。言葉と音楽の中に真のラブストーリーがあり、それがアルバム全体に連続性と特別な次元を与えているのだ。デイブがこれらの曲をテープ(またはデジタルメディア)に録音した時の気持ちがストレートに伝わってきて、アルバムの楽しさが増している。

 

 デイブの他の作品を見れば、メロディーと楽器の豊かなつづれ織りを期待するだろうが、彼はその期待を裏切らない。もちろん、彼のギター・ワークは何よりも際立っており、そのサスティーンによって感情を呼び起こす能力は、スティーブ・ハケットやデイヴ・ギルモアと同列に語られるべきものだ。彼は他のすべての楽器にも精通しているが、他のパートの演奏はしばしば仲間に委ねている。特にボーカルは、長年の友人でありコラボレーターでもあるサリー・ミネアとイエイン・ホーナル(10CCとELOのツアーバンドに参加)が担当している。彼らを選択したことは賢明で、曲に見事にマッチしており、メロディーに優雅さ、威厳、そして憧れの雰囲気を加えている。私が強調したいのは、彼が落ち込んでいるのではなく、明るく楽観的であるということだ。このアルバムは絶望ではなく、希望に満ちているということなのだ。

 

 サウンドに関しては、「2021年のベスト・プロデュース・アルバム」の賞が発表された時に、この『To The Far Away』がノミネートされていないとしたら、それはあるまじき行為だ。ヘッドホンでも本格的なハイファイでも、すべての音がクリアに聞こえてきて、耳を楽しませてくれる。アルバムの最初と最後を飾る爽やかな海(私はこのアルバムを「リピート」モードにしていたのだが、始まりも終わりもないような気がして夢中になっていた)から、多面的な「Ghost Light」やギターワークが光る「Fells Point」まで、特に後者のコーダでは、リビングルームで猛スピードのスコットランドダンスを踊っていることだろう。

 

ミスター・ベインブリッジ、どうぞ立ち上がってお辞儀をしてください。あなたは傑作を生み出したのです。

 

 

Track List

1. Sea Gazer
2. Girl and the Magical Sky
3. Rain and Sun
4. Clear Skies
5. Ghost Light
6. Cathedral Thinkers
7. To Gain the Ocean
8. As Night Falls
9. Infinitude (Region of the Stars)
10. To the Far Away
11. Speed Your Journey
12. Fells Point
13. Something Astonishing