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CATS IN SPACE - CD
ATLANTIS
Harmony Factory Out now

キャッツ・イン・スペースのメンバーは素晴らしい経歴の持ち主ばかりで、その中にはNWOBHM時代を彷彿とさせるものもあり、彼らはいずれも、何よりも音楽を優先する優れた音楽家として評価されている。彼らが聴いて育ったのは、クイーン、モット・ザ・フープル、ELOなど、私が「ロックとポップの黄金時代」と呼ぶ、2つのジャンルが融合した時代で、時代を超えて親しみやすく、キャッチーな音楽を生み出していた時代だ。丁寧に録音され、ダイナミクスのある音楽、そしてきちんと意図のある歌詞。

 

このアルバムは、知り合いのデザイナーであるスティーブ・"クラッシャー"・ジュールから送られてきた。彼とは80年代初頭から交流があり、ロックに関しては歯に衣を着せぬ人物である。だから、クラッシャーが何かを伝えてくる時には私は耳を傾けるのだが、今回、クラッシャーはただ "これを聴いてくれ "とだけ言った。それは5ヶ月前のことで、それ以来、このアルバムは私の定番ロックアルバムとなっている。Cats In Spaceの6人は、これまでの経験や知識、そして上述したような影響のすべてを駆使して、シンプルで中毒性のあるアルバムを作り上げた。

 

このアルバムは彼らの4枚目のアルバムで、恥ずかしながら私は初めて彼らを聴いた(前の3枚はすぐに追いかけ聴いた)が、4枚の中では最高のアルバムだ。これまでの作品は彼らのすべての要素を備えてはいたが、『Atlantis』は、曲、プロダクション、ミックス、演奏のバランスが完璧で、40年ほど前のあの時代を思い出させるような、ちょっとした優しい雰囲気がある。時折現れるマルチトラックのボーカル、メロディをベースにしたギターソロ、パワフルなオーケストレーションなど、ヴィンテージのキャンバスに現代の技術で織り込まれた喜びのタペストリーとも言えるような音楽だ。

 

最近のアルバムで、しばしば真っ当な理由をつけて見落とされがちなのが、歌詞とアートワークだ。このアルバムの完成度を高めるために、歌詞を読むことと、アートワークを見ることの両方が重要な役割を果たしている。例えば、このアルバムのパワーバラードは、ロックンロールに何が起こったかを振り返る4分間の反省文とも言える内容で、すべての行が真実を語っている。荒れ果てたバーでウィスキーに酔い潰れた老ロッカーが語るように歌われる;

 

「もはや誰もヘロインを吸ってないし、テレビをホールにぶん投げてもいない。だから俺はロックンロールに恋しなくなったんだ」

 

これを聞いて、ローリング・ストーンズの「Cocksucker Blues」の古き良き時代を思い浮かべて、笑わないわけにはいかないだろう?このようなちょっとした工夫が随所に盛り込まれており、アートワークについてはロジャー・ディーンやロドニー・マシューズの時代を理解しているアンドリュー・キットソンが、70年代に生まれた人物らしく、その時代に合わせて絵を描いている。これは本当に素晴らしいアルバムだ。もっと書きたいことはあるのだが、クラッシャーのアドバイスを伝える以外に他に言うことはない。ただ"これを聴け "と。

Track List

Dive!

Spaceship Superstar

Revolution

Sunday Best

Listen To The Radio

I Fell Out Of Love With Rock ‘n Roll

Marionettes

Queen Of The Neverland

Magic Lovin’ Feelin’

Can’t Wait For Tomorrow

Seasons Change

Atlantic

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LIFESIGNS - CD
ALTITUDEI
Independent Out now

私が10代の頃の数年間、プログレッシヴロックほど素晴らしい音楽はこの世にはないと思っていた。ユーライア・ヒープ、アバ、セックス・ピストルズらの名盤を含むレコードコレクションを持っていながら、圧倒的に代表的なジャンルはプログレだと思っていて、イエス、ELP、ジェネシスやその仲間をたくさんコレクションしていた。1982年にマリリオンが来日した時、イエスが彼らの手本になったと感じたので、私のヒーローが落としたバトンを手にしてくれたことを嬉しく思った。ジェネシスもELPもレコード会社の「売れ線狙い」圧力に屈し、彼らの70年代の全盛期の作品と比較して著しくレベルの低いアルバムを作ってしまった。それ以降、私は1989年にフィッシュがマリリオンを抜けてからこのジャンルへの興味を失ってしまったことを告白する。新しいバンドが次々台頭下2000年代のプログレ人気の再燃は健全なものだったが、そうしたバンドは70年代の大物バンドをコピーしているか、もはやプログレとは何かという概念を失ってしまったような変なテンポ展開やアクロバティックな演奏アクションでこのジャンルを前進させたとしか思えなかった。そんな状態が続いていたが、今週、レターボックスに届いた1枚のアルバムを見て、「救世主が戻ってきた」とラウンジを駆け回った。

 

まあ、そこまで大袈裟ではない。でも、Lifesignsのニュー・アルバムは、クラシック・プログレを明確に理解し、その方向性を知っているバンドによって書かれ、演奏された、素晴らしい作品である。『Altitude』は、キーボードのジョン・ヤング作の8曲で構成されている。他メンバーは、デイヴ・ベインブリッジ(ギター)、ジョン・プール(ベース)、ゾルタン・チョルツ(ドラム)で、それぞれがプログレの世界で優れた経歴を持つ楽器の名手たちであり、このジャンルにぴったりだ。15分を越える長い曲で幕を開けるのは、表面的にはかなりリスクが高いと思われるが、この曲は非常に美しく構成されており、あっという間に過ぎてしまう。穏やかなオープニングから一連のムードを漂わせ、それぞれが完璧に次へと移行していく。エンディングの染み入るような温かさは、心に残り、包み込まれるような心地よさがある。

 

各曲にはそれぞれ個性があり、トラックごとにアルバムの解説を書きたいところだが、それでは最初に聴いたときの楽しさが半減してしまうから、信じてほしい。再生ボタンを押すと同時に、(あなたのハイファイのように)本当に素晴らしい気分になるだろう。ジョンとスティーブ・リスピンがプロデュースしたこのアルバムは、私がここ数年で聴いた中でも最高のサウンドであり、各楽器の間のスペースや特定の楽器の音さえも、まるでアルバムが息をしているかのようだ。彼らは強力なチームであり、彼らがこれから同胞とどんなことをするのか、そしてまだリマスタリング処理が施される以前の往年のアルバムをぜひ聞いてみたい。
『Altitude』は、ラジオから流れる音楽のように親しみやすいサウンドから切なくアンビエントなサウンドまで、様々な喜びのタペストリーであり、それぞれのサウンドは極限の心地良さをもたらす。ということで、最大級の賛辞を以下にまとめたい。このアルバムは、昔ながらのプログレの最高傑作であり、ニュープログレ・ロッカーの最高傑作でもあるのだ。

 

プログレッシヴロックは遂に進化したのだ。

Track List

Altitude

Gregarious

Ivory Tower

Fortitude

Shoreline

Arkhangelsk

Last One Home

Altitude Reprise