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GIG
TOM ROBINSON BAND
SHINJUKU LOFT 6th September

Vinyl Japan

新宿ロフト

2022年9月6日

 

日本のファンにとって、トム・ロビンソンと彼のバンドが街に戻ってきたことは、旧友を迎えるようなものだ。開場当初は人が少なかったのだが、開演時間には多くの人が集まり、TRBのTシャツを着た人、新しいTシャツを買った人、そしてパンクの伝統である自作のTシャツを着た人もいた。素晴らしいし、フレンドリーだし、プロモーターは会場を賢く選んでいる。ほんの少しだが、70年代後半のイギリスのような感じがする。TRBのステージは、あの時代に投げかけたクラシックで幕を開けた。バンドは時差ぼけしているが絶好調で、タイトでありながら型にはまってはおらず、彼がパブロック時代に英国で活動していた頃のオリジナルバンドと同じ感覚である。トムは日本語で観客に語りかけ、ジョークを飛ばして、次の曲に入る。このパターンは一晩中続く。ストーリー、ジョーク、ちょっとした日本語、そして次の曲、ファンは一緒に歌い、協力的に参加することで彼の努力に感謝の意を示す。1979年の初来日時のようにカードを掲げるファンもいて、全員で「マーティン」を合唱した。

 

知っている曲は意外と多いし、そうでない曲でもなぜか親しみを感じる、そういうことが素晴らしいソングライティングだと思う。ヴォーカルは、トムが70代になったとは思えないほどだ。声は成熟したが、表現力は昔と変わらない。 歌っていても、今はもういない人に敬意を表しても、彼がバンドを紹介しても、すぐに通じるフィーリングとパッションがある。この人は、何を歌っても、何を言っても本物だ。

 

何と言っても楽しい夜なのだ。トムはバンドと同じように楽しい時間を過ごしている。彼はよく笑うし、彼の歌詞はとてもシリアスなテーマなのに、ステージ上ではあまり深刻に考えていない。ミスは笑い飛ばされ(最初のセットを早く終わらせすぎた)、トムは自分のことを「オジサン」と呼び、「Power In The Darkness」の途中では、ハチマキを持ってきて、日本の右翼政治家のパロディを披露し、この夜は最高潮に達する。バンドが最後のお辞儀をしてステージを去り、照明が点灯しても、日本の「我が旧友」が戻ってくるのもそう遠くはないだろうという予感が頭をよぎった。

First Set

Winter Of ‘79

Bully For You

Hope And Glory

Atmospherics: Listen to the Radio 

Martin

Still Loving You

Grey Cortina

Patience (Lee Forsyth Griffiths song)

The Mighty Sword Of Justice

War Baby

Second Set

Hold Out (solo acoustic)

Spain

Rikki Don’t Lose That Number

Too Good To Be True

Glad To Be Gay

2-4-6-8 Motorway

Encore

Up Against The Wall

I Shall Be Released

Power In The Darkness

Tom Robinson interview!
https://www.writerinjapan.com/tom-robinson-2022

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ALBUM
CATS IN SPACE
KICKSTART THE SUN

Harmony Factory

私が2020年に一番聴いたアルバムは『Atlantis』で、今年初めにキャッツ・イン・スペースがこの新作を発表したとき、今後これを超えることはおろか、同レベルのものさえできるのだろうかと思ったものだ。『Kickstart The Sun』がダブルアルバム(ボーナスディスク付きで実質はトリプル)であること、壮大な叙事詩が収録されていること、三度聴いてもまた歌ったり口ずさんだりできる曲が揃っていること、など、『Atlantis』を超えたと言ってよいだろう。このバンドは、素晴らしいフックとアイデアを使い果たしてしまうということを知らないようだ。

 

アルバムは、短くも幾重にも音の重なるイントロから始まり、キャッツが得意とする70年代の純粋なクラシック・ロックへと入っていく。「King Of Stars」は、とにかくゴージャスで、あらゆるものがミックスされており、個々のセグメントがリンクしている様は崇高で、息を飲むような美しささえある。『Atlantis』では、ニューシンガー、ダミアン・エドワーズは既存の楽曲にフィットしていたが、本作ではより貢献度が高く、特にアルバム全体に漂うバック・ボーカルは、バンドをさらに高みへと押し上げるのに一役買っている。展開が早く、今聴いた曲の余韻に浸り、その出来栄えに感謝する間もなく、次の曲が始まってしまう。皆さん、このアルバムは、これ以上ないほどの良い出来ですよ。

 

プロダクションは、ハイファイオーディオの醍醐味を味わえるものとなっている。ソロ、ベースライン、キーボードの音、ドラムのフィルなど、すべてのパートがミックスの中で適正な場所に位置し、すべての音とパートが曲のために美しく選ばれ、小さな音量でも大音量でもうまく機能するこのミックスは、最近ではそれ自体が希少なものと言える。この2枚組のディスクは24ページのブックレット付きデジパックに収められ、アンディ・キトソンが再びアートワークを担当し、12インチレコードのフルパッケージ並のより美しい仕上がりになっている。

 

良質なロックの愛好家なら、このアルバムを嫌いな人はいないはずだ。ダブルアルバム1セット分の楽曲を1秒も無駄にすることなく収録しており、いろんな意味で非常に優れた作品である。このアルバムをダウンロードで済ませるのは愚かなことだ。このアルバムは、購入し、期待し、聴き込み、吸収し、楽しみ、そして無限に再生するための音楽なのだ。今から20年あるいは30年後、きっとあなたは自分の子供や孫に、クイーン、ELO、エルトン・ジョン、モット・ザ・フープル、デヴィッド・ボウイ...そしてキャッツ・イン・スペースのことを話していることだろう。

Track List

Kickstart The Sun - Intro

King Of Stars

Poke The Witch

Teenage Millionaires

Goodbye To The American Dream

1,000,000 Miles

Fifty-One Pillow Bed

Charlie's Ego

Kickstart The Sun

A Big Balloon

Smoke & Mirrors

Hero

Last Dance Saloon

Bootleg Bandoleros

Kickstart The Sun – reprise

 

Bonus Disc

Charlie's Ego - 'turbo' version

1,000,000 Miles - Duet ft. Julie 'The Duchess" Maguire

King of Stars - Rock Edit

Goodbye To The American Dream - Extended

Atlantis - Live at RAK

I Fell Out of Love With Rock 'n' Roll - Live at RAK

1,000,000 Miles - Live at RAK

Bootleg Bandoleros - instrumental

Last Dance Saloon - instrumental

King Of Stars - instrumental