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MÅNESKIN
TEATRO D'IRA: Vol. I 

 

Sony Music International Japan

マネスキンは、セカンド・アルバムの1曲目に収録されている「Zitti e Buoni」で、今年のユーロビジョン・ソング・コンテストにイタリア代表として出場し、優勝したことで、世界的な大ヒットを記録した。それ以前にも、彼らはイタリアで最も有名なバンドの1つであり、デビュー曲は1位を獲得し、母国ではトリプル・プラチナ・ステータスを達成し、他のヨーロッパ地域でもチャートにランクインしていた。2枚のアルバム、1枚のEP、9枚のシングル、そして28個のプラチナ・アワードという驚異的な実績を持つマネスキンは、ヨーロッパ制覇を成し遂げ、まもなく世界に躍り出る日も近いだろう。

 

彼らの音楽は、何の仕掛けもないストリートからの素朴な音楽である。ベース、ドラム、ボーカル、ギターから成る4人のバンドが、ポップ、ロック、ラップ、ファンク、その他彼らが好むものをミックスしている。攻撃的で-そうでないときもあるが-、確固たる姿勢と怒りが表現されており、侵略的だ。とはいえ、リアルであるという点では、新鮮な空気が流れている。これらの曲は完璧に仕上げられてきたというものではなく、作曲されてすぐに演奏され、少しずつ練り上げられてきたものである。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの音楽性、イギー・ポップの倫理性、ニルヴァーナのシンプルさというヒントを与えると、何かイメージが浮かんでくるのではないだろうか。

 

私は昔ながらのロックファンで、これからもそうだと思う。私は自分のコレクションが好きで、携帯電話には音楽やビデオを入れていない。YouTubeも観ないし、TikTokやInstagram、Twitterなど、最近の若者たちが持っているようなものも実践していないが、その仕組みは分かっている。このバンドは、音楽的にだけでなく、イメージやプレゼンテーションにおいても、明らかにジェネレーションZ向けのバンドだ。誤解しないでほしいのだが、私はこのバンドをとても気に入っているし、本物のミュージシャンが演奏する本物の音楽の流れを作るかもしれないバンドが出てきたことにワクワクしているところだ。ただ、今までレコードを購入していた数百万人という若者がダウンロードサイトに集まってくる心理は容易に分かる(Eurovison Song Contestで優勝した後の24時間で、彼らの受賞曲はSpotifyだけで400万回ストリーミングされた)。

 

音楽の話に戻ると、うわべのイメージやパフォーマンス、にわか影響力や急激に拡散して話題になったものなどを取り除いて、「この音楽はいいのか?」と自問してみたところ、そう、音楽は間違いなくいいのだ。マネスキンは、前述のジェネレーションZと私の世代、もはや親と子ではなく、祖父母と孫の世代の間に橋を架けることに成功したのである。大歓迎だ。本作は、素晴らしいバンドによる素晴らしいアルバムであり、これから彼らはビッグな存在になっていくことだろう!

Track List

Zitti e Buoni

Coraline 

Lividi Sui Gomiti

I Wanna Be Your Slave

In Nome del Padre

For Your Love

La Paura del Buio

Vent’anni

I Wanna Be Your Slave (Maneskin & Iggy Pop)*

 

* 日本盤ボーナストラック

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LIFESIGNS - CD
ALTITUDEI

Independent

私が10代の頃の数年間、プログレッシヴロックほど素晴らしい音楽はこの世にはないと思っていた。ユーライア・ヒープ、アバ、セックス・ピストルズらの名盤を含むレコードコレクションを持っていながら、圧倒的に代表的なジャンルはプログレだと思っていて、イエス、ELP、ジェネシスやその仲間をたくさんコレクションしていた。1982年にマリリオンが来日した時、イエスが彼らの手本になったと感じたので、私のヒーローが落としたバトンを手にしてくれたことを嬉しく思った。ジェネシスもELPもレコード会社の「売れ線狙い」圧力に屈し、彼らの70年代の全盛期の作品と比較して著しくレベルの低いアルバムを作ってしまった。それ以降、私は1989年にフィッシュがマリリオンを抜けてからこのジャンルへの興味を失ってしまったことを告白する。新しいバンドが次々台頭下2000年代のプログレ人気の再燃は健全なものだったが、そうしたバンドは70年代の大物バンドをコピーしているか、もはやプログレとは何かという概念を失ってしまったような変なテンポ展開やアクロバティックな演奏アクションでこのジャンルを前進させたとしか思えなかった。そんな状態が続いていたが、今週、レターボックスに届いた1枚のアルバムを見て、「救世主が戻ってきた」とラウンジを駆け回った。

 

まあ、そこまで大袈裟ではない。でも、Lifesignsのニュー・アルバムは、クラシック・プログレを明確に理解し、その方向性を知っているバンドによって書かれ、演奏された、素晴らしい作品である。『Altitude』は、キーボードのジョン・ヤング作の8曲で構成されている。他メンバーは、デイヴ・ベインブリッジ(ギター)、ジョン・プール(ベース)、ゾルタン・チョルツ(ドラム)で、それぞれがプログレの世界で優れた経歴を持つ楽器の名手たちであり、このジャンルにぴったりだ。15分を越える長い曲で幕を開けるのは、表面的にはかなりリスクが高いと思われるが、この曲は非常に美しく構成されており、あっという間に過ぎてしまう。穏やかなオープニングから一連のムードを漂わせ、それぞれが完璧に次へと移行していく。エンディングの染み入るような温かさは、心に残り、包み込まれるような心地よさがある。

 

各曲にはそれぞれ個性があり、トラックごとにアルバムの解説を書きたいところだが、それでは最初に聴いたときの楽しさが半減してしまうから、信じてほしい。再生ボタンを押すと同時に、(あなたのハイファイのように)本当に素晴らしい気分になるだろう。ジョンとスティーブ・リスピンがプロデュースしたこのアルバムは、私がここ数年で聴いた中でも最高のサウンドであり、各楽器の間のスペースや特定の楽器の音さえも、まるでアルバムが息をしているかのようだ。彼らは強力なチームであり、彼らがこれから同胞とどんなことをするのか、そしてまだリマスタリング処理が施される以前の往年のアルバムをぜひ聞いてみたい。
『Altitude』は、ラジオから流れる音楽のように親しみやすいサウンドから切なくアンビエントなサウンドまで、様々な喜びのタペストリーであり、それぞれのサウンドは極限の心地良さをもたらす。ということで、最大級の賛辞を以下にまとめたい。このアルバムは、昔ながらのプログレの最高傑作であり、ニュープログレ・ロッカーの最高傑作でもあるのだ。

 

プログレッシヴロックは遂に進化したのだ。

Track List

Altitude

Gregarious

Ivory Tower

Fortitude

Shoreline

Arkhangelsk

Last One Home

Altitude Reprise