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DREAM THEATER
A VIEW FROM THE TOP
                      OF THE WORLD 

 Sony Music International Japan

ここ数ヶ月、ドリーム・シアターは「Lost Not Forgotten(忘れ去れない未発表作」シリーズのアルバムをリリースしている。これは彼らのアーカイブから集められたライブ・レコーディングで、新しいスタジオ・アルバムがない中では大歓迎だ。2016年にリリースされた『The Astonishing』の壮大なコンセプトを捨て、より親しみやすい楽曲群へと回帰したアルバム『Distance Over Time』のリリースから2年8ヶ月が経った。『Distance Over Time』は、ドリーム・シアターを彼らのファンが好むバンドとして再確立しただけでなく、多くの新しいファンを獲得した。

 

まず、オーディオについて説明しよう。『A View From The Top Of The World』は、ソニーからの2枚目の作品であり、また、メタル業界で録音を磨くことにかけては最高の人物の一人としての地位を確立しているアンディ・スニープが初めてミックスとマスタリングを担当した作品であり、彼はサウンド面でも大きく貢献している。ギターは歯切れが良く、キーボードは浮遊感があり、ベースはパンチが効いていて、ドラムは空間的なタムやパーカッションがふんだんに使われていて、まさに屋台骨を形成している。よりヘビーになったか?はい。ただ少しだけだ。彼らのジャンルをプログレメタルからメタルプログレに変えるほどではない。ファンの皆さん、どうぞ安心していただきたい。スニープ氏は多くの新要素を加えただけで、何も取り除いてはいないから。

 

7つの楽曲、収録時間70分、そのうち最後の20分がタイトルトラックで、曲順としても最後になっている。その前に、50分間に及ぶこれぞドリーム・シアターという姿がある。オフビートのドラム、スタッカートのギター、個性的なリフが好きな方は、このアルバムにはそれらが満載されているので、楽しみにしていただきたい。最後のトラックに辿り着くまでに、彼らはどんな姿を見せてくれるのかと思っているだろうが、「A View From The Top Of The World」はあらゆる意味で壮大で、完璧なペースで進んでいく。個人的には、10分超に亘る彼らの最高傑作だと思っている。

 

本作品は様々なフォーマットでリリースされる。ソニー・ジャパンは、中でも翻訳された歌詞とライナーノーツに加え、BSCD2マスタリングを施したディスクと日本語字幕付きドキュメンタリー「Digging For A Spark - A View From Inside DTHQ」を追加収録し、5.1 サラウンド・ミックスを施したもう一枚のディスクを付けたものを最高の形のフォーマットとしている。タワーレコードでは先着順での限定クリアファイル、その他の店舗ではジャケットデザインのポストカードをプレゼントする。どちらも魅力的だが、もしそれらが手に入らなかったとしても、この作品は購買する価値は十分にある。

 

要約すると、ドリーム・シアターは、本作において、高い評価を得た『Distance Over Time』を見事に受け継ぎながら、それ以前のアルバムのいいところをも見事に組み合わせたものを完成したということだ。アンディ・スニープを起用したことは大成功の要因であり、彼らはプログレメタル界での地位を確保しただけでなく、将来的にも無限の道を拓くことができるアルバムを作り上げたのである。

Track List

The Alien

Answering The Call

Invisible Monster

Sleeping Giant

Transcending Time

Awaken The Master

A View From The Top Of The World

MD Earth Cover.jpeg

MACHINES DREAM
EARTH

Progressive Gears

これはEP(シングルのエクステンデッド・プレイ盤)だ。私は普段EPをレビューすることはないのだが、今回レビューするのには、2つの理由がある。まず、私はこのリリースで彼らを知ったばかりであり、彼らの最新のフル・アルバム『Black Science』を聴き直したところ、もっと宣伝されてしかるべきバンドだと思ったからだ。次に、このEPは無料/もしくは、良いと感じてくれればいくらかを支払うデジタル・ダウンロードであり、2022年にリリースされる次のフル・アルバムへの関心を高めるためにリリースされたからである。ところで、これはクリスマスのための安易なプロモーション企画ではなく(12月25日にリリースされた)、4曲、トータル25分間の新曲であり、すべて彼らの新しいメンバーで愛情を込めてレコーディングされているものだ。マシンズ・ドリームから全世界のプログレファンの方々へ、良いお年を迎えてほしいというメッセージである。

 

まず、バンドについて説明しよう。2009年に結成された、カナダのオンタリオ州出身の彼らは、2011年にデビューアルバムをリリースした。このアルバムは、彼らの言葉を借りれば「過去のプログレッシブロックバンドに敬意を表したもの」とのことだ。その1年後、彼らはイギリスのレーベルSonic Vista/Aurovineと契約し、さらにその1年後にはProgressive Gearsとマネジメント契約を結んだ。その後、2枚のアルバム(2014年の『Immunity』、2017年の『Black Science』)をリリースし、バンドは自分たちの個性を確立したのだが、波に乗っていた矢先に、世界中の他のバンドと同様、新型コロナウィルスによってすべてが中途半端になってしまったのだった。音楽の話に戻ろう。

 

彼らはプログレの曲の書き方、録音の仕方をよく分かっている。彼らはクライマックスパートに十分な時間をかけ、決して性急にならず、イメージを作り上げることに長けている。アコースティック・ギターをかき鳴らしたり、ピックで弾いたりしている中で、浮遊感のあるムードの中で鳴っているキーボードを突然中断して展開を変えてしまうバンド全体のバランス感覚は、一流のプログレである。ピンク・フロイドやバークレイ・ジェームス・ハーベストを彷彿させる瞬間が、しばしば同じ曲の中で姿を見せる。そう表現すると奇妙な組み合わせのように聞こえるかもしれないが、マシンズ・ドリームはそれをうまくやってのけ、さらにその中にキング・クリムゾンの要素をも見出すこともできるのだ。

 

3曲は約5分、最後の1曲は11分を超えており、4曲の中では最も魅力的でよく構成されている。この曲では、メンバー全員の呼吸の合い具合を示され、バンドの創造性が最大限に発揮されている。彼らの楽器の音の選択は楽しげで、しばしばヴィンテージなテイストでありつつも、彼らの演奏は偉大な先人たちに影響を受けながらも独創的である。プロダクションは明快で、必要な時には壮大さを示し、勢いづいている時にはパワフルだ。

トータルとして、2022年にマシンズ・ドリームがどのような作品を発表してくれるのかを示す、最高のサンプラーになっている。忘れてしまった方のためにもう一度言うが、この作品は無料なのだが、もしダウンロードして気に入ったのなら、彼らに数ポンド分の寄付をしてやっていただきたい。彼らはそれに値すると思う。

 

Track List

Edge Of The World

Starling

Bloodworker

The Standing Field