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JEFF LYNNE and ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA
50th ANNIVERSARY RE-ISSUES
Sony Music International

1974年9月28日、ジョン・レノンはニューヨークのラジオ局「WNEW」に出演し、こう語った。  「『Showdown』は素晴らしいレコードだと思う。......いいグループだよ。僕は彼らを "Son of Beatles "と呼んでいるんだけど、彼らは明らかに僕らがやらなかったことをやっている。でも、彼らが最初に結成したときに、ビートルズが「Walrus」でやり残したことを引き継ぐつもりだ、という声明を出していたのを覚えているよ。......」

 

世界で最も成功したバンドの、世界で最も成功したソングライターの一人が発したこの言葉は、バンドにとって最高のお墨付きと言えるだろう。彼がこの言葉を発したとき、ビートルズはもう存在していなかった。多くのバンドが登場し、「第二のビートルズ」と宣言されてきたが、音楽よりもマニアックなイメージ(T.Rextasy、Bay City Rollermaniaなど)に基づいて主張されたため、本当の意味でのビートルズは存在しなかった。ELOは確かにイメージバンドではなかったし、少女たちが彼らのショーに叫びながら群がってくることもなかった。では、彼らの成功とレノン氏の賞賛は何ゆえのものだったのだろうか?音楽そのものである。ソニーは、主力バンドの50年に亘る成功を記念して、2001年から2019年までのELOの6枚のアルバムと、ジェフ・リンのこれまでの2枚のソロ・アルバムを再リリースした。

 

各CDに貼付されている‘Beatle DNA’というステッカーは、ジョン・レノンのオリジナルの声明を反映しているだけでなく、彼以外の生き残った3人のメンバーとの後のコラボレーションについても言及しているのだ。1996年のアンソロジー・プロジェクトの際、ジョージ・マーティンの都合により、ポール、ジョージ、リンゴが2枚のニューシングルのプロデューサーに選んだのがジェフだったことも、ビートルズのDNAを語る上で欠かせない要素となっている。紙ジャケットは高品質のシルク仕上げで、英語のブックレットは高品質のグロス仕上げになっている。日本語のブックレットはモノクロで、ライナーノーツと全訳詞が掲載されている。もちろんディスクのマスタリングにはソニー独自のBS2CDマスタリングを採用しており、音楽の透明感と分離感が増している。この8枚のディスクを並べてみると、ロックファンのコレクションにとって美しいアクセントを加えることになるだろう。では、アルバムの紹介といこう。


Armchair Theatre(1990年作ジェフ・リンのソロアルバム)

ELOは1986年に合成音を多用したアルバム『Balance Of Power』を発表した後に解散した。ジェフの初のソロアルバムでは、ところどころクラシックなELOのサウンドに回帰しつつ、プロデューサーとして、また前進を望むミュージシャンとしての自分を表現しようとしている。このアルバムは、過去40年間のポップスのエッセンスを集めたもので、彼のルーツと今後の方向性を示す、興味深いスタイルの混合物である。8曲のオリジナル曲と3曲のカバー曲で構成されているが、後者はすべて、私たちがよく知っているものとは大きく異なるアレンジになっている。このアルバムは、後から振り返ってみると、今後の彼の音楽活動の基礎となるものだった。なお、このアルバムは、ジョージ・ハリスンのアルバム『Clowd Nine』をジェフがプロデュースした頃に録音されたものであるという。ジョージは3曲で崇高なスライド・ワークを披露し、ジェフに恩返しをしている。2人とも1988年にデビューしたトラベリング・ウィルベリーズのメンバーである。

Zoom (2001年作ELOのスタジオアルバム)

ELOの『Balance Of Power』からこのアルバムがリリースされるまでの15年間に、ジェフはトラベリング・ウィルベリーズのセカンド・アルバムをレコーディングし、その後バンドは解散し、ビートルズ・アンソロジーのセッションを監督し、ジョージ・マーティンとポール・マッカートニーのアルバム『Flaming Pie』を共同プロデュースするなど、他のアーティストから依頼を受けるプロデューサーとしてだけでなく、優れたマルチ・インストゥルメンタリストとしての地位も確立していた。そのため、アルバムのクレジットには「ジェフ・リン:リード・ボーカル、バッキング・ボーカル、リード・ギター、リズム・ギター、チェロ、ピアノ、キーボード、ベース、ドラム、ソングライティング、プロデュース」と書かれている。このアルバムに参加している唯一のオリジナル・メンバーはリチャード・タンディであり、確かに古典的なELOのサウンドに戻っているが、リリース当時はポピュラー・ミュージックがあまりにも変化していたため、「Zoom」は時代遅れのサウンドとなり、結果的には売れなかった。しかしELOのカタログの中でも本作は一際輝く宝石のような作品だ。聴いたことのない人は、今こそ買い時だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

Long Wave  (2012年作ジェフ・リンのソロアルバム)

ジェフのセカンド・ソロ・アルバムはすべてカバーである。このアルバムは(ジェフにとっては)非常にノスタルジックなコレクションであり、アコースティックな3曲で始まり、それからドン・コーヴェイの「Mercy Mercy」(1964年)、ロイ・オービソンの「Running Scared」(1962年)のカバーに入ってノリノリぶりを見せる。ロイはもちろんトラベリング・ウィルベリーズでの仲間だった。各曲ともジェフ・リンならではのアレンジが施されており、「She」(Charles Aznavour、1974年)ではELOスタイルのマルチレイヤー・ヴォーカルで歌い、「Smile」(1936年)ではチャーリー・チャップリンの「Smile」(1936年)を非常にゆったりとしたシャッフルで歌って、涙を誘うチャップリンのバージョンに比べて「さあ、人生はそんなに悪くないさ」というような曲に変えている。映画『Love Is A Many Splendored Thing(邦題:慕情)』(1955年)の同名主題歌「Love Is A Many Splendored Thing」では、ジェフがこの曲を誰もが想像できないような形で再構築しており、それが実に素晴らしい。この曲集を表現するには、「Eclectic(折衷)」という言葉がぴったりだが、「Investive(独創的)」、「Terrific(凄い)」、「Fun(愉快)」という言葉も同様に当てはまる。

Mr Blue Sky  (2012年作ELOのスタジオアルバム)

一見するとベストヒット・コンピレーションのようだが、実際には最後の曲「Point Of No Return」を除いたヒット曲を再録音している。プロデューサーとして腕を磨いてきたジェフは、レコーディング・スタジオで利用可能な新しい技術を学び、その技術を使って曲をより良い音にできるのではないかと考えていた。そして「Mr.Blue Sky」から始めたのだが、確かに最初から曲のサウンドはより良く、よりクリーンになり、楽器の分離もよりはっきりしたものになった。再録音の賛否両論は、個人的な好みやノスタルジーに起因することが多いが、これらの曲は確かに聴き応えがあり、音楽的にはオリジナルと全く変わらない。

Live (2013年作ELOのライブアルバム)

2001年、ELOはアルバム『Zoom』を引っ提げての全米ツアーの実施を発表し、ロサンゼルスのCBS Television CityでPBSのプロモーション・ショーを2回行った。リチャード・タンディがELOに復帰し、レビューでは素晴らしいショーだったと評価されたが、驚くべきことにチケットが売れなかったため、ツアーはキャンセルされ、代わりに『Zoom Tour Live』というタイトルでVHSとDVDがリリースされることになった。それから12年後、この番組の音声は、(テレビ放送のミックスを使用したVHS/DVDリリースとは対照的に)完全なマスタリング処理が施されてリリースされた。ソニーのBS2CDは、DVDの音声と比較してみると、格段に輝きを増している。より明るく、より大きく、より鮮明で、もしアメリカでPBSミックスではなくこちらが聴かれていたら、ツアーは完売していたことは間違いないだろう。DVDには収録されていない「Secret Messages」「Sweet Talkin' Woman」「Twilight」「Confusion」の4曲が収録されている。

Alone In The Universe  (2015年作ジェフ・リンズELOのスタジオアルバム)

前年の9月に行われたBBCの「Festival In A Day」のハイド・パーク公演(ELOにとって28年ぶりの本格的なギグ)では、約5万人のポップスファンが集まり、満場一致で絶賛されたことに触発され、ジェフはELOの新譜を作ることを決めた。1989年にELOのオリジナル・ドラマーであるベブ・ベヴァンがELO IIというバンドを結成したため、若干の名前の変更が必要となったが、それゆえに「ジェフ・リンズELO」となったのである。シンプルなクラシック・ピアノのリフと心に響くヴォーカル・ラインで始まり、我々を叙情的、メロディ的、サウンド的に過去に引き戻してくれる。そして、これからの展開に期待してワクワクするあまり、思わずこみ上がる涙を拭くためのティッシュを手に取らないうちに、ジェフの特徴的なプロダクション・サウンドを持つ素晴らしいドラムが飛び込んで来る。このアルバムはA1レベル、10点満点の完成度だ。

 

Wembley Or Bust (2017年作ジェフ・リンズELOのライブアルバム)

ELOが最後にウェンブリーで演奏したのは1978年の「Out Of The Blue」ツアーだったが、当時はバンドがリズムをキープするためにバッキング・トラックを使っていたために批判された。残念なことに、バッキング・トラックの音が聞こえてしまい、バンドはパントマイムをしているという誤った非難を受けてしまったのである。しかし、2017年6月24日に7万人の観客が集まり、その年最高のロックコンサートを目撃したことで、その記憶はすべて消え去った。このショーは、ビデオとオーディオの両方のリリースのために録音され、それがここで聴ける結果となった。実に素晴らしい。ミックスは非常にクリアで、パフォーマンスは完璧だ。レコードでリリースされた際のこの作品は3枚組で、CDでは2枚組であるにもかかわらず、ソニーの計らいによりレコード3枚のインナースリーブがすべて付いている。24ページの英語版ブックレットには、ショーの写真がふんだんに掲載されている。

 


From Out Of Nowhere (2019年作ジェフ・リンズELOのスタジオアルバム)

2017年にロックの殿堂入りを果たし、リチャード・ターディがELOの永世メンバーとして復帰したことで、バンドがスタジオに戻る時がやって来た。ジェフはこのレコードで、1981年以来やっていなかったことを達成した。それはイギリスでNo.1レコードを出すことだったのだが、当然のことながら、このレコードはすべての期待を上回っていた。「Down Came The Rain」は70年代半ばのクラシックなELOに限りなく近く、「One More Time」は1972年の「10538 Overture」の時代に戻ったような感覚だ。長い間、我々の前から姿を消していた彼らだが、時が過ぎてもジェフ・リンが全く変わっていないことが明らかになった(見た目も変わっていない!)。さらに、「Time Of Our Life」のメロディや歌詞からも解かるように、彼が再びELOを楽しんでいることは明らかだ。

 

      演奏を続けているうちに、思いついたんだ

      今日はこれまでで最高の夜になるかもしれない

      ウェンブリー全体が大合唱している

      すべてのこんなちっぽけな歌のために

 

ジェフに会いたかった、お帰りなさい。







 

結論

ここ数年、ソニー・ミュージックは音楽ライターの間で、量よりも質を重視したリリースを行っているという評判を得ている。彼らはクラシック・ロックの膨大なカタログを持っているが、他のレーベルのように定期的に再販するのではなく、バンドのファンが好むものだけでなく、企業としてのイメージも考慮して、再販の際には多くのことを考えているのだ。最近の「ジャパニーズ・シングル・コレクション」シリーズは、ベスト・ヒット・アルバムとすべてのプロモーション・ビデオを収録したDVDを組み合わせたものだが、これはまさに80年代の偉大なアーティストのファンが何年も前から望んでいたものであり、今回のELOのリリースにも同じような配慮がなされている。音楽はより良い音で、パッケージはより見栄えがし、アルバムはボーナストラックを除き、ジェフ・リンが元々意図していた通りのものである。彼らのコレクションを更新したいと思っている人やELOを初めて聴きたいと思っている若い世代にとって、これらのエディションから始めるのが最善であると断言できる。

Don’t Say Goodbye   

What Would It Take   

Stormy Weather   

Blown Away     

Save Me Now

Every Little Thing

Easy Money

It Really Doesn’t Matter   

Ordinary Dream   

A Long Time Gone   

Melting In The Sun   

All She Wanted   

Smile 

At Last   

Love Is A Many Splendored Thing   

Let It Rock   

Beyond The Sea

Telephone Line

Livin’ Thing   

Do Ya   

Can’t Get It Out Of My Head   

10538 Overture   

Point Of No Return

Can’t Get It Out Of My Head   

Twilight   

Confusion   

Don’t Bring Me Down   

Roll Over Beethoven

All My Life   

I’m Leaving You   

One Step At A Time   

Alone In The Universe

When I Was A Boy

Handle With Care

Last Train To London

Xanadu

Rockaria!

Can’t Get It Out Of My Head

10538 Overture

Twilight

Ma-Ma-Ma Belle

Shine A Little Love

Wild West Hero

Sweet Talkin’ Woman

Telephone Line

Turn To Stone

Don’t Bring Me Down

Mr Blue Sky

Roll Over Beethoven

Sci-Fi Woman

Goin’ Out On Me

Time Of Our Life

Songbird

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Lonesome Lullaby

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Don’t Let Go             

Lift Me Up           

Nobody Home   

September Song   

Now You’re Gone

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Alright   

Moment In Paradise   

State Of Mind   

Just For Love   

Stranger On A Quiet Street   

In My Own Time 

She   

If I Loved You   

So Sad   

Mercy Mercy   

Running Scared 

Bewitched, Bothered And Bewildered

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Mr Blue Sky   

Evil Woman   

Strange Magic   

Don’t Bring Me Down   

Turn To Stone   

Showdown   

Evil Woman   

Showdown   

Secret Messages   

Livin’ Thing   

Sweet Talkin’ Woman   

Mr Blue Sky

When I Was A Boy   

Love And Rain   

Dirty To The Bone   

When The Night Comes   

The Sun Will Shine On You

Ain't It A Drag

Standin’ In The Rain   

Evil Woman

All Over The World

Showdown

Livin’ Thing

Do Ya

From Out Of Nowhere

Help Yourself

All My Love

Down Came The Rain

Losing You

One More Time