MARCO MENDOZA

17th June 2016

マルコ・メンドーサ インタビュー

2016年6月17日

 

The Dead Daisies

Q:2014年に話して以来ですね。あなたが‘ブラック・スター・ライダーズ’で来日されていた時でした。お忙しいですよね。この間、どうされてましたか?

マルコ・メンドーサ(以下MM):あの後、チャンスに恵まれたんだよ。一つはソロ・キャリアの道が開けたこと、それと、‘ザ・デッド・デイジーズ’もね。できるとは思いもしなかったアルバムを何枚か作れたんだ。それも‘ブラック・スター・ライダーズ’の活動があってのことさ。僕にとってはラッキーだった。

 

Q:今年のラウド・パークに出演されることがアナウンスされると、ロック・ファンは大騒ぎになりました。もう至る所で話題沸騰です。ファンはみんなあなたたちが好きなんですよ。あなたたちがやってきたツアーすべてが好評でしたから。キッス、デフ・レパード、ホワイトスネイクとの・・・

MM:エアロスミス、バッド・カンパニーともやったね。このことを話しておいた方がいいな。オーストラリアをツアーしたんだ。ブライアン、リッキー、スコット、デイモン・ジョンソンたちとね。僕らはモトリー・クルーとキッスのオープニングを務めたんだ。いいツアーだったんだけど、ブライアンがブラック・スター・ライダーズも出るって、アナウンスしなかったから、僕はちょっと気分を害したし、僕らの待遇もあまり良くなかった。だからフェンスの向こう側でステージを観ていたところ、デイジーズが僕の所に来て、バンドに入らないかと言ってきたんだ。僕は彼らの音楽が大好きだったし、ちょうど彼らはエアロスミスのサポートをしようとしていた時期だった。だから弾みをつけるのに、ネームバリューのあるメンバーがほしかったんだ。僕は「もちろんいいよ。」と答えたよ。そしてリチャード・フォータス、ディジー・リード、ガンズン・ローゼズのフランク・ファーラーと僕というラインナップでエアロスミスのツアーに同行したんだ。リハーサルを1週間した後に、デヴィッド・ローウィーと話して、すべてが最高の形になった。バンドらしくなったんだ。全員が作曲できて、全員でコラボでき、何の型にもはまらない。70年代、80年代のロックに影響を受けた同世代のメンバーが一丸となった。そして何をどこまでできるか見届けようということになった。マネージャーを呼び出して、僕らを見てくれと言ったよ。エアロスミスのツアーをしてから、いろいろなオファーが舞い込んでいたからね。一つは、アリス・イン・チェインズとジェーン・アディクションとのアメリカ横断ツアーの話だった。それが最初だったんだ。自分たちでプロフィールを持参して配ったよ。するとすぐに人々が「ワォ!そういうことなのか。」って分かってくれたよ。別に無理やりでもなく、自慢するでもなく、ただプロフィールを配っただけでね!ステージは楽しかったよ。キャッチーな展開と粋なギター・リフの入った王道のロックをやったからね。オーディエンスも盛り上がったよ。僕らには一丸となったパワーがあったんだ。もうやれるところまでやるって感じだったね。

 

Q:それはよかったですね。でも長続きしたスーパーグループは過去にありませんでした。あるべき姿は私にも分かりませんが、ライブ活動が充実していて、メンバー同士がリスペクトし合っている。そんなことで続けられるのでしょうか。

MM:そうだね。メンバー同士のリスペクトというのは、物事を進める上の潤滑剤みたいなものだ。これまでにも僕らは一緒に仕事をしたこともあったし、お互いリスペクトもしているから、やるべきことも分かっている。だからすごく気が楽だよ。意見が食い違うことはあるけど、バンド運営を妨げるようなこともメンバーのエゴもないよ。ディジーとフランクが抜けて、また変化が訪れたけど、僕らは全員で話し合って、ベストな選択をしたよ。僕もいろいろな人材のアイデアを出した。それが嬉しくもあったね。採用してもらえるようなアイデアを出したからね。LAに住んでいたから、いろいろな人脈があったんだ。6人くらいドラマーとギタリストに電話したよ。すぐにステージに立てるような人を選んだんだけど、これからもずっと長く一緒に活動できることを前提に選んだんだ。それぞれのスケジュールを確認して、僕らに専念してくれる人を選んだ。僕らメンバーはそれぞれ他のプロジェクトにも忙しいんだけど、それに絡んでやることもいっぱいあるからね。僕らのことをケアしてくれ、現代でははずせないSNSのことまできちんと考えてくれる素晴らしいマネージメントがいてくれるのが幸いだね。3週間モスクワに居て、それから一旦家に戻ってからこれも含めて12本のインタビューを受けなきゃいけなかった。このインタビューは、今日の3本目なんだよ。

 

Q:ワォ!そうなんですか。

MM:ああ。僕らはみんなこんな風に仕事をこなしているんだ。めちゃくちゃアクティヴだよ。やるべきことをわきまえているんだ。

Make Some Noise

 

Q:『Make Some Noise』について聞かせてもらえますか?(日本では7月27日にワード・レコードからリリースされた)

MM:去年のキッスとのツアー時にスタッフと話し、曲を書き始めたんだ。複数のレーベルが僕らと契約したいと言ってきたよ。このアルバムはSNSとか、ツアーとか、すべてに対応するためのものだった。もうレーダーを張り巡らしていたんだ。現代では当たり前になっているけどね。レーダーを張っていると、獲物はかかってくるものさ。それで翌年の計画を立てて、契約するレーベルを決めて、交渉に入った。スタジオをブッキングして、マーティ・フレデリクセン(エアロスミス、デフ・レパードのプロデューサー)と話し合った。いろいろな人を巻き込みたかった。メンバー全員が曲を書き、アイデアを出した。それをミックスしたんだ。最初はラフに録音してから、たくさん出たアイデアのうち良さそうな21、2個を選んで、それを念頭に置いてセッションしていった。結果的には望んだ以上のものが出来たよ。いくつかは信じられないような瞬間が捉えられている。素晴らしい音楽が詰まってて、いいところばかりだよ。才能、アイデアに満ちている。いろいろな方向でやることもできたけど、最後には全員が好む70年代、80年代のテイストに落ち着いたというわけさ。「顔で弾く」みたいな凄いギター・リフや必殺のスリー・コード、コーラス・ワーク、キャッチーな展開、そんなものを出来る限りシンプルにぶち込んだ。少々複雑なことでもやれるミュージシャンだったけど、プロデューサーが口を挟んできて「おい、みんな。この方がよくないかい?」って言ったことが二、三度あったよ。マーティとは僕らが望む方向性についてじっくり話し合い、彼がそこに導いてくれた。ベルリンでの楽屋でのことを憶えているよ。デヴィッド・ローウィーがリフを弾いていた。4ビートでやればうまくいくような、ちょっと変わったリフだった。それが種となって、アイデアが浮かんだんだ。こんな風に僕らは全員がアイデアを閃くことが多いんだよ。メンバー全員が集まれば、それだけアイデアも湧いてくる。もう次のアルバムの構想に入っているところだよ。

 

Q:それはいいことを聞きました。今や、本物のロックは少なくなりました。かつて自分が始めた好みのジャンルに囚われるか、昔あったもののテンポを変えてやってみるくらいです。

MM:みんな楽しんでいるよ。黄金期のロックの旗手であり続けている。あの時代を代表するテイストを持ち続け、あの時代の同じバンドを愛して、そこからポイントやヒントをもらっているんだ。

 

Cuba

 

Q:キューバでのことははずせないですね。(デッド・デイジーズは2015年、ハバナで2回コンサートを行なっている。これによりローリング・ストーンズにキューバの関心が向いたとも言える)ドキュメンタリーが明らかにしていますよ。でもキューバについての先入観と現実は違いましたか?

MM:ミュージシャンとしては、いつも行きたい所だったんだ。アメリカ、特にLAではキューバ人のミュージシャンとはいろいろ仕事をしていたからね。僕はフュージョン、ジャズ、ラテンぽいものもやってたから。その関係でそのジャンルからのお声もよくかかったんだ。キューバのリズムが好きなら、絶対本場に行きたくなるだろ?だから僕も行きたかったんだ。もし行けるチャンスが巡ってくるなら、やったぁ!てなもんだよ。行きたかった場所というだけでなく、よく調べて魅了されていた場所だったんだ。そこに行って、人々と触れて音楽に浸りたかった。でも実際にマイアミから現地に飛ぶまでその重要性には気づかなかったんだ。僕らは互いに見つめ合って、謙虚な気持ちになった。すると、何か僕らがキューバ音楽の将来の担い手の一人であるかのように思えてきた。アメリカとの懸け橋という意味でもね。現地ではすごく歓迎されて、厚遇でもてなしてくれた。現地の人たちはとても感激してくれたんだ。とても有意義な時間だった。僕はスポンサー(ベース、アンプ、弦のメーカー)と一緒に行っていて、商品をいくらか現地の学校に寄贈してもらった。現地ではそういうものが足りなくて困っているとのことだったからさ。自分のしたことに満足して、キューバを離れたよ。音楽っていかに重要なものかってことを実感したね。文化的な表現をすれば、音楽でいかに国境が取っ払えるかってことだ。僕がある言語を話す時、それはあくまで翻訳者の一人でしかない。僕は現地で人々の切なる気持ちを実感したんだ。要は、キューバの人々は自分たちの今の生活スタイルを変えずに他の世界と繋がっていたいということなんだ。彼らはそれを渇望している。僕らは彼らのその渇いた喉に一滴の水を垂らしてあげられるんだと思ったよ。歴史が証明しているよ。ストーンズもキューバに行った。オバマ大統領も行った。キッスも行こうとしている。キューバと他の世界の繋がりを阻んでいた壁にひびが入り始めているんだ。あそこに行く機会があったら、いかにあの国、人々のパワーが凄いかを痛感すると思うよ。

 

Q:音楽シーンはどんなだったのですか?

MM:僕らは、こんなにロックをやってる奴がいたのかって驚いたよ。ロックが好きなのに、長い間政治的な理由でそれを抑えられざるを得なかった。でももうそれを表現してもよくなってきているんだ。50年代から続いてきたロックの歴史と同様、自分たちの歴史も彼らはよく分かっている。現地のロックバンドには参ったよ!すごくよかったんだ!すごく満足して帰って来た。また行きたいなと話してて、来年にはまた実現できるんじゃないかと思っている。いろいろなものが変わってしまう前に行きたいね。あそここそ、経験すべき場所だよ。

 

Q:そうですね。マルコ、どうもありがとうございました。10月にまた会いましょう。

MM:オーケー。元気でね。